レーザーによるほくろ除去治療は、メスで切開する方法にくらべて、施術時間が短く、傷跡が目立ちにくいというメリットがあり、多くの皮膚科や美容クリニックなどで行われています。

レーザー治療は、使用する機器が発するレーザーの出力方法や波長によって、いくつか種類があり、肌の状態や除去したいほくろのサイズによって使い分けたり、併用して使用されることもあります。

この記事では、ほくろ除去治療に使用されることの多いレーザーの種類と特徴や、メリット・デメリットについて紹介します。

ロングパルスレーザー

ロングパルスレーザーの特徴は、比較的出力の弱い光を均一に照射するというもので、ほくろの黒いメラニンに吸収されて発生した熱でメラニンを破壊し、ほくろを薄くします。

メラニンの黒い色素にのみ反応するので、肌を直接傷つけることなく治療ができるほか、出力が弱いので肌への負担が少なく、皮膚の深層にまでレーザーの熱を加えることができるので、深く根差したほくろにも有効です。

デメリットとしては、出力が弱いため、盛り上がったほくろや、大きなほくろの除去には適しておらず、1~2mm程度の平らなほくろにのみ有効です。また、1度の照射で除去することができず、1~3か月ごとに複数回の施術が必要になります。

Qスイッチレーザー

Qスイッチとは、瞬間的に高いエネルギーを得る技術で、レーザー媒質に応じて「Qスイッチルビーレーザー」や「QスイッチYAGレーザー」などがあります。

レーザー照射時間が一瞬であるため、目的とするメラニンの周囲の組織に熱が伝わることなく、メラニンのみを破壊することができ、痛みが少ない治療法であると言われています。

ただし、瞬間的に高いエネルギーを与えるため、ほくろの周囲に肝斑などの刺激に敏感なシミがあると、悪化させてしまう可能性があります。

YAGレーザー

YAGレーザーとは、レーザー媒質としてイットリウム(Yittrium)、アルミニウム(Aluminum)、ガーネット(Garnet)のYAG結晶に微量のネオジウム(Nd)を添加した結晶体を使用したレーザー光で、皮膚の真皮に届く1,064nmの波長が特徴です。

皮膚の深い部分にあるほくろにも有効で、出力を弱めれば、通常レーザー照射は禁忌とされている肝斑を悪化させることなく治療することができます。薄いシミやそばかす程度なら1回の照射で除去することができますが、色の濃いほくろには3~6か月の頻度で複数回治療が必要になります。

ダイオードレーザー

ダイオードレーザーは半導体を利用して発生させるレーザーで、半導体の性質によって532~800nmまで波長を変えることができます。医療用レーザーの中では低エネルギー・低出力であるため、施術時の痛みが少なく、ほくろ以外の組織を傷つけることなく治療でき、安全性が高いことで知られています。

一般的にレーザー治療後は、治療部分が傷口のようになってかさぶたができるため、絆創膏や医療用テープなどで保護する期間(ダウンタイム)が1~2週間ほどかかりますが、ダイオードレーザーは1~2mm程度の平らなほくろなら、ダウンタイムがほとんどありません。

ルビーレーザー

レーザー媒質としてルビーを用いたレーザー光で、694nm付近の波長の光を発します。これは、黒いメラニンには効果が高い一方、血液の赤色への反応性が低いため、正常な血管や皮膚を傷つけることなく治療できるという性質があります。

シミやほくろの除去に対して高い出力が得られる一方、肝斑など、刺激に敏感なシミがある場合は、ルビーレーザーの照射によって悪化してしまうことがあります。

炭酸ガスレーザー

レーザー媒質として炭酸ガスを用いており、10,600nmの波長の光を発し、水分に選択的に吸収される性質があります。美容・医療分野では、細胞に含まれる水分を蒸散させることで、不要な組織を除去します。

上記で紹介した他のレーザーと異なり、ほくろを物理的に削って除去するため、皮膚の凹凸が大きくなることがありますが、黒い平坦なほくろ以外にも、盛り上がったほくろや色の薄いほくろなど、色や大きさへの制限が少ないというメリットがあります。

削った跡が深くなりすぎないよう、ほくろを含む細胞をある程度削ったあと、ルビーレーザーなどメラニンのみを除去するレーザーを照射するなど、他のレーザーと組み合わせた治療が行われることもあります。

まとめ

ほくろの除去に使用される医療用レーザーは、出力方法やレーザー媒質によって複数種類あり、それぞれほくろ除去効果や肌への刺激の強弱などの面でメリット・デメリットがあります。

ほくろ除去治療では、2種類以上のレーザーを組み合わせて施術することで、きれいな仕上がりを目指すこともできます。医療機関によって取り扱っているレーザー機器が異なりますから、治療を検討している病院があれば問い合わせてみるとよいでしょう。