ほくろを除去する方法として、病院での治療や家庭でできる民間療法など、様々なものがありますが、どの方法も治療後の傷の回復期間などを含めると、数か月単位の時間がかかります。

そこで、産休中で時間に余裕があったり育児で忙しくなる前の妊娠中に、ほくろを除去してしまおうと考えている人もいるかと思います。しかし、妊娠中は胎児の発育のために、日常生活において注意しなければならないことが多々ありますが、ほくろの除去による影響はないのでしょうか。

この記事では、妊娠中のほくろの除去による赤ちゃんへの影響や、妊娠中や授乳中にできるほくろの除去方法について調べてみましたので、参考にしてみてください。

妊娠中や授乳中のほくろ除去と赤ちゃんへの影響

妊娠中や授乳中にほくろを除去することについて、ほくろの除去自体はお母さんの体や赤ちゃんの成長に対して直接影響はありませんが、妊娠中は予測できない体調の変化が考えられるため、美容目的でのほくろ除去はおすすめできません。

また、妊娠中や授乳中はホルモンバランスが変化して、ほくろやシミの色素を作り出す細胞が刺激されるため、ほくろ除去効果が十分得られなかったり、除去してもすぐに新しいほくろが現れることもあります。

このような理由から、出産後しばらくして体調が落ち着いてから、または赤ちゃんの卒乳後、ホルモンバランスが元に戻ってからほくろ除去に取り組むほうがよいのですが、子育てが忙しくなる前にほくろを除去したいと考える人も多いでしょう。

そのようなときは、万が一のリスクを考慮しながら自己責任で行う必要があります。

ほくろを除去するには、皮膚科や美容クリニックで主流のレーザー治療のほか、ネット通販で話題のほくろ除去クリームや、古くから民間療法として知られる、もぐさでお灸をするという方法などがあります。それぞれの方法について、妊娠中や授乳中に実行しても問題がないのかどうか調べてみました。

レーザー治療

レーザー治療は皮膚科などの医療機関で行われるほくろ除去方法ですが、妊娠中や授乳中に治療が受けられるかどうかは、それぞれの病院の方針によって異なります。

ほくろ除去に用いられるレーザー自体は、赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはありませんが、治療前に行う局所麻酔の影響が心配されます。局所麻酔薬として広く使用されているキシロカインは、比較的副作用の少ない薬ですが、副作用としてめまいや吐き気などが知られています。

ほくろ除去の際に使用されるのは、わずかな量ですが、体質には個人差があるため、すべての人に副作用が出ないとは限りません。

また、使用後数時間は体内にとどまって、ごく少量が母乳に以降すると言われており、手術当日の授乳は、終日控えるよう指示されるか、授乳期間が終わってから治療を受けるよう勧められることがあります。

ほくろ除去クリーム

ほくろ除去クリームとは、ほくろに塗ることでほくろを含む皮膚を溶かすクリームで、塗布後は絆創膏などでケアして新しい皮膚の再生を促してほくろを除去するというものです。ほとんどのものがアメリカや台湾などの海外製で、Amazonなどの大手通販サイトや、輸入代行業者のサイトから購入できます。

妊娠中や授乳中の使用の可否については、通販サイトの商品説明事項に記載されていることがありますが、海外製品だと分からない場合もあるでしょう。

アメリカ製のカソーダや、ワートモールヴァニッシュというほくろ除去クリームは、妊娠中や授乳中、既往歴のある人は、使用前に、医師に相談するようにして下さいという内容の記載がありますから、他のメーカーの製品も同様に、使用前にかかりつけの病院で相談するのがよいでしょう。

もぐさ

もぐさを使ったほくろ除去方法では、ほくろの上に米粒大にまとめたもぐさを乗せ、線香で着火してもぐさを燃焼させ、ほくろのある皮膚に軽いやけどを生じさせます。やけどになった部分は数日後にかさぶたになり、ほくろとともに剥がれ落ちるという仕組みでほくろを除去します。

民間療法として知られている方法ですが、手順自体は健康促進などのために行われるお灸と同じなので、万が一のリスクを考えると、妊娠中の人は行わないほうがよいでしょう。

お灸は体のツボに対して熱による刺激を与えて血行を促進したり免疫力を高めるといった効果が知られており、妊娠中のむくみ解消や健康管理のために、妊婦さん向けのお灸を行っている鍼灸院もあります。

ただし、体中のツボの中には、流産の危険があるため避けたほうがよいツボというものがあるため、ほくろを除去したいからといって、ツボの位置を把握しないまま、素人が妊娠中の体にむやみにお灸をするのは危険な行為です。

また、もぐさの原料となるヨモギには、シネオールという精油成分が含まれており、鎮静作用やリラックス効果が知られていますが、妊娠初期の体調が安定しない時期には、この香りで気分が悪くなるなどの悪影響が出る恐れがあります。授乳中のお灸は、特に問題ない場合がほとんどですが、産後すぐは体が回復途中にあるため、様子を見て試してみましょう。

妊娠中にできるほくろ除去方法は?

妊娠中はシミやほくろができやすかったり、傷の治りが悪くなるほか、予測できない体調の変化などのリスクがあるため、ほくろ除去には適さない時期ですが、産休を取ってまとまった時間が得られたため、どうしても今のうちにほくろ除去をしたいという人もいるかもしれません。そのような時は、以下の方法を検討してみましょう。

医療機関でのレーザー治療

上記の項目で述べたように、全くリスクが無いわけではありませんが、レーザー自体はお母さんの体や赤ちゃんの成長に影響を与えないことと、治療前に使用する麻酔薬の量が、胎児に影響の無いごくわずかであることから、医療機関によっては、妊娠中でも安定期であれば施術ができる病院があります。

ただし、万が一のリスクを考慮して、妊娠中のほくろ除去治療は受け付けていない場合もありますから、事前に問い合わせてみましょう。皮膚科や美容クリニックなどの医療機関ではなく、エステサロンでレーザーによるほくろ除去を行っている施設がありますが、後でトラブルになったときに、十分な処置が受けられない可能性があるため、ほくろ除去は医療機関で受けましょう。

ほくろ除去クリーム

ほくろ除去クリームのほとんどは医薬品ではなく化粧品ですので、確実な効果は期待できませんが、赤ちゃんに悪影響を与えるような重篤な副作用はほとんどないと考えられます。

ただし、どの製品であっても使用前にかかりつけの医療機関で相談してから使用しましょう。ほくろ除去クリームの中には、ピーリング剤のように、ほくろ部分の皮膚を溶かしてほくろを除去するというものがあります。

ピーリング剤に含まれることの多いサリチル酸は、1~2%の低濃度であれば問題ありませんが、高濃度になると、奇形が起こるリスクが知られていますので、成分表示に注意しましょう。

出産後にほくろ除去するならいつがよい?

医療機関でほくろ除去治療を受ける場合、それぞれの治療方針によって異なりますが、出産後から体力が回復して、1か月検診で問題がなければ、通常の治療が受けられるところが多いようです。

ただし、レーザー治療ではなく、ほくろ部分の皮膚を切開・縫合して取り除く手術の場合、手術後に抗生剤や鎮痛剤が処方されます。これらの成分が微量ですが母乳に移行する可能性があるので、授乳中の人は治療が受けられないことがあります。

レーザー治療であれば、服薬の必要がないため、授乳中でも治療が可能です。レーザー治療の際の局所麻酔の成分が気になる場合は1日断乳すれば、体外に排出されるため、問題ないとされています。

まとめ

ほくろを除去すること自体は、赤ちゃんの成長に影響を与えないと考えられますが、妊娠中や授乳中はホルモンバランスが変化して、シミやほくろが発生しやすくなっているので、ほくろ除去効果が十分でない場合があります。

また、病院での治療の場合、局所麻酔薬や治療後の抗生剤や抗炎症剤の影響がリスクになるとして、治療を受け入れていない病院もありますので、治療を検討している場合は、妊娠中や授乳中であることを伝えた上で相談してみましょう。