皮膚に地肌と著しく異なる色の斑点ができる状態をシミと呼びますが、医学的にはシミの原因や特徴によって、いくつかの種類に分類されます。
シミの中でもよく見られるのが老人性色素斑ですが、シミの種類によっては、予防や治療方法が異なる点があります。

今あるシミを薄くしたいと考えている人は、まず自分にあるシミがどの種類に分類されるのか確認し、適切な対策方法を選びましょう。

老人性色素斑とその他のシミの違いについて

シミと呼ばれる症状の中でも代表的なものに老人性色素斑、肝斑、炎症後色素沈着およびそばかすがあります。
下記にそれぞれの特徴についてまとめてみました。

老人性色素斑

老人性色素斑は、主に老化や紫外線の影響を受けたことによって発生する褐色のシミで、中年以降に多く見られることから老人性色素斑と呼ばれます。ぼんやりとした楕円形のシミが特徴で、顔や首回り、手の甲など紫外線が当たりやすい部分に多く見られます。

老人性という名称ですが、過去に浴びた紫外線の量によっては、20代後半から現れることもあり、すべての年代において発生する可能性があります。

肝斑

肝斑は老人性色素斑と見た目が似ていますが、主に頬骨に沿って左右対象に発生するシミで、薄い褐色で輪郭がはっきりしないという特徴があります。

日焼けによって悪化することがありますが、原因は老人性色素斑と違い、女性ホルモンによるものと考えられており、妊娠がきっかけで発生したり、閉経によって消失することがあります。

炎症後色素沈着

ニキビや虫刺され、やけどなどの炎症の後に現れるシミで、炎症によるダメージから回復する途中でメラノサイトが刺激を受けて、メラニンが過剰に生産されることで発生します。

見た目は老人性色素斑に似ていますが、過去に浴びた紫外線の影響が続く老人性色素斑と違い、炎症によるダメージが収まれば、数か月で自然に薄くなる場合がほとんどです。

ただし、新しい細胞に生まれ変わる途中で紫外線や摩擦などによる刺激を受けると、シミが濃くなり、回復が遅れる場合があります。

そばかす(雀卵斑)

主に遺伝的な要因で発生する小さな茶色いシミで、スズメの卵の殻の模様に似ていることから雀卵斑とも呼ばれます。鼻の周りから頬にかけて散らばるように発生し、色白の人は地肌とのコントラストで目立ちやすい傾向があります。

幼少期にできはじめ、思春期に濃くなることがありますが、成人してからだんだん薄くなる場合もあります。遺伝性なので、自宅でのスキンケアで予防や対策を行うことが難しいのですが、紫外線の影響により濃くなることがあるので、日焼け止めのほか、帽子や日傘、サングラスなどで対策するとよいでしょう。

老人性色素斑の主な原因は紫外線

老人性色素斑という名称から、加齢によって自然に発生するものという印象がありますが、実際は過去に浴びた紫外線が原因で発生します。まず、皮膚が紫外線を浴びると、皮膚深部にある基底層にあるメラノサイトという細胞を刺激します。

すると、メラノサイトでは、シミの色の原因となるメラニンを生産し、表皮に近い部分にある細胞に受け渡します。メラニンには、細胞の核に存在するDNAを紫外線によるダメージから守り、悪性腫瘍や日光障害の発生を防ぐ役割があります。

紫外線の照射を受けて作られたメラニンは、皮膚表面の角質層の細胞に届くと、古い細胞が新しい細胞と入れ替わるターンオーバーによって、古い角質ともに剥がれ落ちます。しかし、メラニンが過剰に生産されたり、ターンオーバーのサイクルが遅く古い角質がずっと残ったままであったりすると、メラニン色素が排除されずに皮膚に溜まり、褐色に見えてシミになります。

年齢を重ねると、過去に紫外線を浴びてきた年数が長くなりますから、それだけシミが発生するリスクが高まります。また、加齢によって新陳代謝がゆるやかになると、、肌のターンオーバーのサイクルが遅くなるため、シミができやすくなります。

このため、老人性色素斑が加齢によるものと考えられてきましたが、学生のころに屋外で活動する部活などで、紫外線を浴びる機会が多かった人は、老人性色素斑が現れる年齢が早まる傾向にあります。

老人性色素斑を薄くするには

美白化粧品によるケア

老人性色素斑を薄くするには、皮膚のターンオーバーを促進して、溜まっているメラニンを取り除く必要があります。皮膚のターンオーバーを早める作用のあるレチノールやプラセンタ配合の化粧品などで、ケアするのがよいでしょう。

さらに新しいシミができるのを防ぐために、メラニンの生成を抑制するアルブチンやビタミンC誘導体などを配合した美白化粧品もおすすめです。

薬による治療

ただ、老人性色素斑は過去に浴びた紫外線の影響によって発生するため、市販のケア製品では、すぐには効果が得られない場合があります。
そのようなときは、皮膚科や美容クリニックを受診して、治療を受けることでシミを薄くできるかもしれません。

一般的に、医療機関での治療には、レチノールやハイドロキノンなどの軟膏や、トラネキサム酸、ビタミンCなどの内服薬が処方されます。
市販のケア製品よりも高濃度の美白成分を使用したり、肌の状態に合わせて処方されるので、高いシミ治療効果が期待できます。

レーザー治療

外用薬や内服薬による治療で効果が見られない場合は、レーザー治療という方法もあります。シミ治療に用いられるレーザーには波長や出力の違いによっていくつか種類があり、シミの種類によって使い分けられます。

老人性色素斑の場合は、Qスイッチレーザーによる治療が一般的です。ただし、肝斑は老人性色素斑と異なり、Qスイッチレーザーの照射によって、濃くなってしまうことがあるので、老人性色素斑と肝斑が同時にある場合は、肝斑の治療を行ってからレーザー治療を行います。

まとめ

シミの中でも最もよく見られる老人性色素斑は、紫外線によるダメージの蓄積が原因で発生します。このほかのシミとして、女性ホルモンの影響による肝斑や、ニキビや虫刺され等の炎症によって現れる炎症後色素沈着などがあります。

それぞれに有効な治療方法がありますから、シミの特徴に合った方法で対策を行いましょう。