年齢を重ねると共に徐々に現れ始める顔のシミは、人目に付きやすいため、気になっている人も多いのではないでしょうか?

シミを薄くしたり、除去するために、美容クリームやサプリメント美顔器など様々な方法が開発されてきましたが、中でも高い効果が得られると言われているのが皮膚科などの医療機関で行われるシミ取りレーザー治療です。

しかし、病院での治療と聞くと病気でもないのに大丈夫なのか……施術が痛いのではないか……など不安に思う人もいるかもしれません。

そこで、この記事ではシミ取りレーザー治療の具体的な方法や、治療の種類など、基本的な内容をまとめてみましたので、顔のシミ対策に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

レーザー照射でシミが消える原理

医療や工業、軍事など様々な分野で活用されているレーザーは、光を増幅させて人工的に作られた電磁波の一つです。では何故、レーザーを照射するとシミを薄くしたり除去することができるのでしょうか。

美容皮膚科で一般的に行われているシミ取りレーザー治療では、シミの部分にレーザーを照射することで、シミの原因となるメラニンに熱を与えます。熱ダメージを受けた部分は火傷の様な状態になりますが、しばらくすると、かさぶたになって剥がれ落ち、かさぶたの下からシミのない肌が現れてシミが除去されます。

火傷と聞くとシミだけでなく、肌の他の部分もダメージを受けてしまうのではないかと不安になりますが、レーザーは通常の光と異なり、波長が単一で、広がりが少なく一点に集中して照射できるという性質があります。

このような原理によって、色の濃いメラニンのみに反応する光をピンポイントで照射できるので、シミ以外の部分にはほとんどダメージがかかりません。ただし、機器の出力や施術の技術によっては、施術部分が赤く炎症を起こすなどの肌トラブルが報告されていますので、信頼できる医療機関で施術を受けることが大切です。

また、施術後は、かさぶたがはがれて新しい皮膚が形成されるまで、テープやガーゼによる保護などのアフターケアに気をつける必要があります。

レーザーの性質は波長によって異なる

レーザーという言葉は単一の波長を持つ光の総称で、使用する目的に合わせて様々なレーザーが存在します。レーザーの性質を決定するのが光の波長で、シミ取りに用いられるレーザーの中でも様々な種類があります。

波長とは光が波の性質を持つことに着目した際に、光が1回振動するときに進む距離のことで、赤や青など光の色を決める要因になっており、紫外線やエックス線といった分類も波長によるものです。

美容皮膚科のシミ取りレーザーでは可視光線や赤外線が含まれる500~1,000nmの波長が使用され、一般的に波長が長いほど肌の奥まで届きやすいという性質があります。また波長の違いは、レーザーが作用する成分にも影響があり、波長が短いものほど、黒色のメラニンへよく吸収されることが知られています。

このため、皮膚表面の色が濃いシミには短い波長を使用し、真皮にあるシミには長い波長を使用します。メラニンへ与える熱ダメージは軽減しますが、実際の施術では出力を調整することでシミへの反応を高めています。

波長と共にシミ取りに影響を与えるのがパルス幅という指標です。具体的にはレーザーが照射される時間と威力の関係性を示したもので、同じ波長のレーザーでも、パルス幅が短いほどレーザー照射で与える熱が広がりにくく、より深い部分にまで作用します。

逆にパルス幅が長いと、熱伝導しやすいので浅く広い部分に作用します。パルス幅が狭いほど一点に高い威力を与えますが、肌に与えるダメージも大きくなります。パルス幅が長いと肌に与える負担は小さくなりますが、短パルスよりも効果が劣ります。

シミ取りレーザーの種類と有効なシミのタイプ

シミ取り治療に用いられるレーザーには波長によって様々な種類があることが分かりましたが、照射される側のシミにも発生条件などによっていくつかのタイプに分類でき、同じように見えるシミでも治療方法が異なる場合があります。

Qスイッチレーザー

Qスイッチとは、よりエネルギーの高いレーザーを得るための技術で、波長の違いにより、レーザープリンタや医療用メス、バーコードリーダーなど様々な分野で使用されています。

シミ取り治療においては、メラニン色素を効果的に破壊することに優れており、また、周囲の正常な肌へのダメージが少ないことが特徴です。紫外線によるシミやそばかすなどに高い効果を発揮しますが、肝斑など色の薄いシミには効果が低く、逆にレーザーの刺激によって悪化する恐れがあるため注意が必要です。

レーザートーニング

出力の弱いレーザーを当てて少しずつメラニンを減らしていく方法で、Qスイッチレーザーなど従来の機器では治療が難しい肝斑に適していると言われています。顔のシミ治療のほか、ワキの黒ずみや摩擦による色素沈着の改善にも使われています。

通常のレーザー治療に比べて波長が長いレーザーを用いるので、皮膚の深部にまで作用し、シミ取りだけでなく、真皮のコラーゲン生成を促すといった効果も期待できます。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーは、黒色のメラニンではなく、水分に反応する長波長のレーザーで、盛り上がったシミやほくろ、イボなどの除去に優れた方法です。Qスイッチレーザーなど濃い色素に反応するレーザーでは、メラニン色素のみ除去するので、母斑細胞というシミやほくろの原因となる細胞まで除去することができず、治療後も再発してしまうという問題がありました。

しかし、炭酸ガスレーザーは、盛り上がったシミやほくろと正常な肌の境界まで蒸散させるので、母斑細胞まで取り除くことができ、一度の治療で高い効果が期待できます。

まとめ

シミ取りレーザー治療ではレーザーの持つエネルギーをメラニンに吸収させることで、熱を発生させてメラニンにダメージを与えるという原理を用いてシミを除去します。

レーザーは、波長とパルス幅によって、とどく範囲や威力を調節することができ、シミの種類によって、それぞれに適したレーザーを用います。医療機関では、医師の診察によって、シミや肌の状態から判断し治療方法が選択されます。